全ての人が感電しています。
気付いてないだけなんですよ!
電気って難しいイメージがあるんですけど、空調より簡単です。
理由は電気が流れているところが分かるから!
電線に電気が流れるのでね、途中で飛んだりしないんですよ!
電源から順番に流れていくので、とっても分かりやすい。
建物管理をする上で、本当に必要な電気の知識を紹介します。
建物管理に必要な電気の知識は資格勉強では学べない
建物管理では実際に目の前に実物があるので、
そこから学びましょう!
百聞は一見に如かず!
資格勉強では絶対に身に付かない知識を得ることが出来ます。
電流値と人体への影響
電流値の人体への影響は検索すると、すぐ出てきます。
1mA未満 :電気を感じない微弱電流値。
1mA :電気を感じる最小電流値で、人体に影響はありません。
5mA :危険の始まりでこれ以上の電流値だと人体に影響を与える。
10~30mA:体(筋肉)を動かせなくなる。
50mA :心室細動を起こし、心肺停止の危険がある。
50mA~ :とにかく危険!
大事なのは、1mA未満の電流だと感電しても気付かないという事と、
10~30mAの電流が流れると体の自由が利かなくなる、という点です。
これ以上の電流値は、
命を落とす危険があるという事を覚えておいてください。
✅1mA未満は気付かないけど、10mAを超えると危険
電池で感電してますよ
みなさん乾電池で動く玩具で遊んだ記憶はありますか?
ミニ四駆、携帯ゲーム機、動力付きのぬいぐるみ…
遊んでてビリっと感電した人は、いないですよね?
でも、本当は感電しているんですよ!
前項で説明した通り、
感電していても電流値が低ければ気付きません。
人体への影響も無いので、特に気にする必要はありませんが、
なぜモーターをあんなに早く動かせる、電池の電流を感じないのか?
それを解くカギは「オームの法則」です。
「オームの法則」
誰もが一度は聞いたことがある言葉ですよね?
電気の世界では、このオームの法則は非常に、
すごく!もうとてつもなく重要な法則なんです!
オームの法則とは、電圧、電流、抵抗の関係式で、
電圧[V] = 電流[A] × 抵抗[Ω]
の事をいいます。
この式を電流の式にすると、
電流[A] = 電圧[V] / 抵抗[Ω]
という事になり、抵抗が低ければ低いほど、
電流が大きくなるのが分かります。
抵抗が0だと電流は∞ですね。
電池に触った時の電流値
この記事の一番最初の写真(電池を持っている写真)ですが、
あの状態の時には、電池の「+」(プラス)から、
「-」(マイナス)へ指を通って電気が流れています。
その時の電流値はどれくらいなのでしょうか?
オームの法則を使って計算してみましょう!
電圧と抵抗が分かれば計算できますね。
電池の電圧は1.5[V]、人の抵抗値は平均で5000[Ω]、
この数値を式に当てはめると、
電流[A] = 1.5[V] / 5000[Ω] = 0.0003[A]
[A]を[mA]に直すと、
0.0003[A] = 0.3[mA]
流れる電流の値は、0.3[mA]という事になります。
これくらいの数値だと、感電しても気付かないですね!
建物管理をする時に大切な電気知識
全て業者任せだから大丈夫!
まぁそれもいいでしょう!
よく分かってない人が充電部の近くで作業することは、
非常に危険な事です。
ですが、最低限必要な知識は身に着けておきましょう!
ここからはビル管理をする上で、
身に着けておきたい知識を紹介します。
電気系の資格を持っていても出来ない事ばかりなので、
覚えていきましょう!
漏電について
まず漏電についてですが、電気事故で最も危険なのは漏電です。
これは覚えておきましょう!
何度も言いますが10mAの電流が人体に流れただけで、
筋肉が動かせなくなるので、自分ではどうすることも出来なくなります。
値が低いからと言って舐めちゃいけません!
漏電は人を死に至らしめると解釈してください。
基本的には、母なる大地や漏電遮断器が守ってくれるわけですが、
漏電しているのに、そのままにしておくわけには行きません!
まず漏電している回路を切ることを優先しましょう!
どうやって漏電している回路を見つけるかと言うと、
コレです!
漏電テスター!
これで電線やケーブルをクランプしてあげれば、
漏れ電流を測定することが出来ます。
どの回路から漏電しているかを判別し、
ブレーカーを遮断することは、出来るようになりたいですね!
絶縁抵抗測定
漏電するという事は、
電気が通っている場所の絶縁が悪いという事です。
例えば、電気で動いている物を触ってもビリビリ来ないですよね?
あれは電気が通っている場所が絶縁されているからなんです。
問題は、その絶縁度をどうやって判断するかです。
そもそも絶縁が良い悪いというのは、
抵抗値が高いか低いか、という事です。
絶縁が良い(絶縁されている) = 絶縁抵抗値が高い
絶縁が悪い(絶縁されていない)= 絶縁抵抗値が低い
電流は抵抗値が低い方へ流れるのは、もうやりましたね?
なのでこの絶縁抵抗値を測定すればいいんです!
絶縁抵抗値を測定するには、
コレです!
絶縁抵抗測定器
絶縁抵抗値は、内線規程で定められており、
対地電圧が150V未満の場合は、0.1MΩ以上
対地電圧が150V以上の場合は、0.2MΩ以上
もっと簡単に言うと、
電灯・コンセントは0.1MΩ以上
モーターなどの動力は0.2MΩ以上
となっています。
建物管理で必要な電流測定
電流値を測定すると、いろんなことが分かります。
- モーターがきちんと動いているか判断出来る
- モーターの劣化度が分かる
- Vベルトの劣化度が分かる
- ポンプから水を供給できているかが分かる
- サーマルリレーが正常に動作しているかが分かる
まだまだありますが、電流を測定することは、
建物管理ではとても重要な事なんです。
電流を想定するにはコレ!
クランプテスターです。
使い方は漏電テスターとほとんど同じですが、
クランプする電線は1本ずつですよ!
おまけの面白い電流問題
この単元の写真の一番下にある問題、分かりますか?
答えは2つあって、①②と①②③です。
②のスイッチがある道には抵抗が無いので、
ほぼすべての電流はこの道を通ります。
③のスイッチを入れても、その道には電気は流れません。
電気はあなたより、ずっと素直です。
電気は通りやすい道を通ります。
電気はどうやって通りやすい道を選んでいるかと言うと、
抵抗値で判断しています。
抵抗値が低いと電流値が大きくなり、
抵抗値が高いと電流値が低くなることは、
前項で説明したオームの法則から分かります。
人間に例えると、抵抗が低い道は舗装された道、
抵抗が高い道は凸凹道だと想像してください。
どちらを選ぶ人が多いかは、分かりますよね!
なので道(電線)が二手に分かれていた場合、
抵抗の低い電線に多くの電流が流れるのです。
✅電流は抵抗の少ない道により多く流れる
建物管理で本当に必要な電気の知識まとめ
- 小さい電流でもとっても危険
- 漏電には素早く対処する
- 電流は抵抗の低い方へ流れて行く
- 漏電する=絶縁抵抗値が低い
- 電流値を測ればいろんなことが分かる
大切なのは、
漏電回路を特定したり、
絶縁抵抗値を測ってみたり、
電流値を測定してみたりして、
その値によってどう判断するかです。
これは資格を取るだけでは絶対に出来ません!
実践して覚えていくしかないんです。
ちなみに第二種電気工事士を取っても、ほとんど役に立ちません。