キュービクル…
キュービクルって何ですか?(^-^;
ビル管理をしていると、電気設備も見なければなりません!
今回は、電気に携わって15年の私が、
ほんの少しだけ電気について話したいと思います。
キュービクル内の機器を知ろう
キュービクル内には機器がたくさん設置されています。
強電は単純なので、一度覚えれば一生ものになります。
キュービクルとは
電力会社から高圧で建物内に電気を引き込む場合、
電力会社との責任分界点としてUGSやPASを設けます。
責任分界点ですので、そこから建物の間で停電が起こった場合は、
建物の所有者の責任という事になります。
もう一つの設置理由は、建物で起こった事故を、
他の需要家に影響を出さないようにするため 。
それと他の需要家で起きた事故を、貰わないようにする目的があります。
キュービクルとは、
高圧で受電した電気を普段使用する電圧(低圧)にする施設です。
なので、内部にはいろいろな電気設備が集約されているのです。
どんなものがあるかというと、スケルトンで見るのが一番早いです。
スケルトンとは、単線結線図のことで設置されている機器と、
どのように電線が接続されているかを、単線で表した図面の事です。
キュービクル内の電気設備
スケルトンに表示されている機器がどれか?
そして、どんな役割をしているかを紹介したいと思います。
ⒶVCT:計器用変成器
電力測定用に設置されています。
高圧のままの電気をそのまま取り扱うのではなく、
取り扱いやすい電圧・電流にして計測します。
VCTの先には、電力会社の電力量計が付いていますよ!
ちなみに、VCTは電力会社の持ち物で、建物の所有物ではありません。
ⒷVT:計器用変圧器
VCTと意味合いは同じです。
取扱いやすい電圧にして、計測値を表示させます。
ⒸCT:計器用変流器
VCTと意味合いは同じです。
取扱いやすい電流にして、計測値を表示させます。
ⒹDS:断路器
断路器は、遮断能力がありません!
通電中に断路器で投入したり・開放すると大事故に繋がります。
第二種電気工事士の問題でもよく出ますね。
保守点検時の安全設備として設置されています。
ⒺMUV:不足電圧継電器
不足電圧継電器は、停電検出に使用されます。
この継電器で非常用発電機の起動や停止を行います。
瞬時停電では動作しないように、時限特性があります。
ⒻVCB:真空遮断機
真空遮断器は通電中の電路の投入や、開放をすることが出来ます。
通常、通電中の電路を投入・開放すると、アークが飛びます。
なので、高速で行う必要があるのと、アークを消弧しなければなりません!
その両方の性能を持っているのが、真空遮断機です。
スケルトンにもありますが、断路器の次に遮断機が設置されます。
ⒼMOC:過電流継電器
過電流継電器はある一定の電流が流れた時に、遮断機に開放信号を送る装置です。
過電流継電器以下の電路で、発生した電流を監視しています。
なので、停電点検時での動作試験は、重要な点検になります。
ここで過電流を検知できない場合は、地域停電にまで及ぶ可能性があります。
ⒽLBS:高圧交流負荷開閉器
写真ではヒューズ(白い筒)が付いていますが、ヒューズが無い場合もあります。
ヒューズがあれば、過電流で電路を強制解放できます。
真空遮断機のように、自動で投入や開放をすることはできません!
容量が小さい系統で使用されます。
相間にアーク飛散防止が付いています。
変圧器の上位に設置されています。
ⒾT:変圧器
変圧器は電圧を変化させている機器です。
高圧受電だとそのままの電圧では使用できませんので、低圧に降圧しています。
6600Vから210Vに降圧しています。
もちろん逆も可能です。
変圧器の2次側に200Vをかけると、1次側は6600Vになるので、
停電点検時は、気をつけなくてはいけませんね。
ⒿLEG:地絡継電器
上の2つは、電圧計と電流計です。
地絡継電器は真ん中の機器です。
地絡継電器は、漏電を検知する機器です。
変圧器の中性点に接続されたB種接地のアースに、電流計を取付け、
アースに流れている電流で漏電を検知します。
主に警報用で、漏電で遮断機を開放する設備ではありません。
まとめ
今回紹介した機器は、氷山の一角に過ぎません。
スケルトンは、どんな建物でも必ず表示されていますので、
これはどの機器なのか、見てみるのも良いかも知れません。
今回紹介した機器は、どんなキュービクルにも設置されています。
ただ、高電圧通電中は危険なので、停電時に見ることをお勧めします。
機器の名称や役割は、本を読めばいくらでも書いてありますが、
現物を見なければ、想像できないと思います。
私も初めて変圧器を見た時は、ナニコレ?と思いましたからね(^-^;
電気は、思っているよりもずっと単純ですよ。