「空調機のフィルターを交換したくてもお金が無いからできない。」
なんてことありませんか?
このままだと空調効率も悪いし、何より機器が壊れちゃうよ~!
建物管理においてこんな悩みをお持ちじゃありませんか?
今回はそんな時どうすれば、
オーナーさんにその予算をつけてもらえるかを記事にしました。
この記事を実践すれば、今年度、来年度には予算をつけてもらえます。
少なくともオーナーさんの心には響きます。
- フィルターの種類
- フィルターの劣化は差圧で判断しよう!
- 差圧が基準を超えてしまったら
- 差圧計なんて無いけど?
- フィルターが詰まってたら、どうなっちゃうの?
- 加湿ろ材が汚れてたら、どうなっちゃうの?
- どうやってオーナーを説得しようか
フィルターの種類
フィルターにもいろいろ種類があります。
家庭用からクリーンルーム仕様まで多種多様です。
プレフィルター
よく見るフィルターです。
肉眼で見える埃の除去用として使用されます。
花粉やカビを除去することは出来ません。
もちろん家庭用エアコンに取付けてあるフィルターもこれと同じです。
中性能フィルター
写真は左が新品で右が取替え時期のフィルターです。
驚くべきはその色ですね!
私が最初にこれを見たときは、
最初から黒色のフィルターなんだと思ってましたよ(^-^;
花粉やカビも通さないフィルターです。
100μm以上の物質は透過できません。
プレフィルターの代わりに取付けられているエアコンもあります。
高性能フィルター
読んで字のごとく中性能フィルターよりも小さいものを吸着できます。
HEPAフィルター
バクテリアやウィルスの通過を阻止できます。
主にクリーンルームで使用されます。
加湿の濾材もフィルターと言うことにしよう
空調機には加湿機能が付いているものがあります。
加湿器には紙のような濾材に水を浸透させて、
そこに風をあて加湿する物があります。
その濾材を加湿フィルターという事にしましょう。
フィルターの劣化は差圧で判断しよう!
差圧とは字の通り圧力の差です。
「どことどこの差?」
フィルターの前後での圧力差になります。
なのでフィルターがゴミで詰まっていれば詰まっているほど、
圧力に差が出ます。
基本的にフィルター自体も障害物になるので、きれいな状態でも
差圧は50Paほどでます。
「じゃあどれくらい差が出たらダメなの?」
フィルターが詰まると風が通らないので風量が出ません!
どれくらいの風量にしているかは、その居室の使用人数から計算して
設計されているので、基準の差圧が示されているハズ…
圧力計の写真の赤い針が設計上で必要換気量を計算した結果、
適切な換気を行えるまでの差圧と言えます。
「じゃあ、差圧が基準値までいっちゃったらどうすればいいの?」
差圧が基準を超えてしまったら
フィルターを掃除するか、交換するしかありません。
掃除機で吸ってみましょう!
プレフィルターなら掃除機で簡単にゴミを取り除くことが出来ます。
掃除機でも取れないようなら、高圧洗浄機で水洗いしましょう!
注意点としては、最初から高圧洗浄してしまうと、
ゴミがフィルターにめり込んで取れなくなってしまうので、
掃除機をかけてから高圧洗浄するようにしましょう!
中性能フィルターも掃除機をかければ少しはゴミを取り除くことが出来ます。
見た目には全く分かりませんが…
基本は交換することをお勧めしますが、再生させるという手段もあります。
フィルターを一度持って行って、
最初と同じように使えるようにするというものです。
もちろん新品より性能は落ちます。
それと数日で再生できるものでは無いので替えのフィルターを用意するか、
フィルター無しで運転することになるので、
そういう面で交換をお勧めします。
高性能より高品質のフィルターではリーク検査をして、
どれくらいの大きさの物質が透過してきているかを
点検していると思いますので、交換時期は分かると思います。
差圧計なんて無いけど?
差圧計が取り付けられているのは大型の空調機だけです。
家庭用のエアコンとかには付いていません…
というか付けるメリットが無いので…
そもそも中性能フィルターなんて付いてないですよね?
プレフィルターだけだったら目視確認で十分です。
汚れてきたら掃除機で吸い取りましょう!
私は水をフィルターの裏側からかけて埃を取っています。
…もちろん取り外してですよ(^-^;
フィルターが詰まってたら、どうなっちゃうの?
フィルターが詰まっていると、風量が下がります。
風量が下がるということは、風が吹き出し口から出てこないという事です。
風量が下がると熱交換の量が下がるので、
冷たい(暖かい)風が出にくくなります。
また、機器によっては冷媒が0℃以下になっているので、
熱交換器のフィンが凍りついてしまいます。
熱交換器が凍りつくと全く風が出なくなります。
それどころか、冷媒の状態変化が出来なくなり、
空調の要である圧縮機が故障してしまいます。
業務用エアコンの圧縮機は高いですよ!
修理するのに30~40万は最低でもかかります。
フィルターの汚れを放って置くと、その先の熱交換器まで汚れてきます。
熱交換器に汚れが付着すると、冷たい(暖かい)風が出にくくなります。
熱交換する面積が少なくなるので当然ですね…
熱交換器の洗浄も圧縮機ほどではありませんが、
それなりの金額がかかります。
フィルターを清掃・交換しないばっかりに高価な出費に繋がってしまうのです。
加湿ろ材が汚れてたら、どうなっちゃうの?
加湿のろ材に埃ゴミが付くことはほぼありません!
「じゃあ加湿ろ材が汚れるってどういうこと?」
加湿ろ材はカビるんです。
特に24時間動いているような大型空調機は間違いなくカビます。
1年も経てば真っ黒になるでしょう!
カビで真っ黒になったろ材では、水が吸収されないので、
加湿能力が著しく低下します。
そうすると快適な室内環境は作れなくなってしまします。
それどころか、一番問題になってくるのが臭いです。
冬、暖房の季節になると、
「吹出し口からカビ臭い空気が出てきてる!」
というような問い合わせがたくさん来ます。
そりゃ臭いますよね、
カビで真っ黒になったろ材を通して風が出てきているんですから…
カビの胞子が吹き出し口から出てきているので、
快適な室内環境づくりとは程遠いですね。
ろ材とは関係ない話ですが参考までに…
蒸発式の加湿器の場合は水処理をしていないと、
水の中の不純物が蒸発せずに残り、蓄積していきます。
どうやってオーナーを説得しようか
どんなに交換したくても、お金が無くては物は買えません。
物が無くては、交換できませんよね?
それなら建物の所有者に交換してもらうよう提案しましょう!
空調フィルターの場合
- 放っておくと機器が壊れる可能性を示唆する。
- 放っておくと空調で効率が悪くなり電気代が高くなることを説明する。
- 全部を一気に替えるのではなく、一台ずつでも替えるよう提案する。
加湿のろ材の場合
- 居室の加湿能力が落ちることを説明する。
- 室内湿度はビル管法で定められているが、その湿度を保つことが出来なくなることを説明する。
- 湿度が保たれないとインフルエンザなどの感染リスクが高くなることを説明する。
- 全部を一気に替えるのではなく、一台ずつでも替えるよう提案する。
- カビの臭いや胞子が放たれる事になると説明する。
上記の理由は、
「決してオーナー様にも損な事では無いですよ!」というのがポイントです。
プレフィルターなんて1枚¥1,000もしないですし、
中性能フィルターは1枚¥10,000ほどです。
機器が壊れたり、光熱費が高くなる、
ましてやカビ臭い中で仕事するくらいだったら、
替えた方が安上がりですよ!
というのを前面に出せば、交換してくれますよ!
最終手段として汚れ具合を写真で見せると、
一発OKしてくれる方はたくさんいましたね。