nayoro_urawaのブログ

室内環境を整えて自分を整えよう

冷却塔の仕組みや構造から、清掃がいかに重要かを知ろう

 

冷却塔の役割って何?

どういう仕組みなの?

 

外にあるんだから清掃しても無駄じゃない?

 

こういった疑問に答える記事になってます。

 

冷却塔を清掃しないと、真夏の暑い時期に冷房できなくなっちゃいますよ!

 

水質管理をしっかりしていないと、レジオネラ菌が発生してしまいますよ!

 

冷却水異常で機器が停止した場合の原因は、

冷却水ポンプか冷却塔にあります。

 

 

 

 

 

冷却塔って何?

冷却塔とは、冷水を作る機器の熱を冷却水で吸収し、

吸収した熱を放熱するための装置です。

つまり冷却塔は、冷房をする時にしか使わない機器という事ですね。 

 

冷水を作る機器は、冷温水発生機や水冷チラー、

水冷ヒートポンプエアコンがあります。

これらの機器がある建物には、必ず冷却塔があります。 

 

 

冷却塔はどうやって冷却水を冷やしているの?

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前項目で、冷却水が機器で吸収した熱を放熱しているのが、

冷却塔だと説明しました。

では、どうやって放熱しているのでしょう?

夏場だと外も暑いから、簡単には放熱できないんじゃ…

その疑問はもっともですが、それは空調の基本が教えてくれます。

 

水が液体から気体に状態変化(蒸発)する時は、

周りから熱を吸収しています。

蒸発した水の周りの熱は、冷やされるわけです。

蒸発しなかった水は、冷やされるんですね。

 

冷却塔は、吸収した熱を放熱するために冷却水を蒸発させる。

冷却塔では上から水を流し、水に風を当てて蒸発しやすくしているんです。

なので、冷温水発生機などの機械から冷却塔に来る水よりも、

機械に戻る水の方が温度が低くなっています。

この温度が低くなった水が、また冷媒から熱を吸収すると言う仕組みです。

 

 

熱源機器で冷却水異常のエラーが出たら?

冷却水異常のエラーが出たら、まずその原因として疑うのは冷却水ポンプです。

冷却水ポンプとは、熱源機器と冷却塔で冷却水を循環させるためのポンプです。

これが動いていなければ、冷却水異常が出ます。

では冷却水ポンプが動いているのに、エラーが出た場合はどうか?

次に疑うのは冷却塔です。

冷却水は常に一定量無いと、十分に熱交換することが出来ません。

冷却水配管や冷却塔が詰まると、冷却水異常が出てしまいます。

冷却水配管のストレーナーや冷却塔の上部の水を流す部分は、

非常に詰まりやすい場所なんです。

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冷却塔上部散水

この穴から水が流れ落ちる仕組みです。

穴が小さいので詰まりやすい。
 

 

いつかは詰まる冷却塔

冷却水は水道水を使用しています。

つまり飲料水ですね。

水道水なのに、そんなに詰まるの?

と思うかもしれませんが、詰まります。

 

冷却塔は、屋外の風が当たるところに設置されています。

外なので、土埃やゴミが内部に入って詰まります。

 

それともうひとつの詰まる原因として、冷却塔の性能自身の問題があります。

冷却塔では、水が蒸発しています。

ご存じの通り、水にはたくさんのミネラル分が含まれています。

蒸発するのは水分で、ミネラル分はそのまま残ります。

蒸発すればするほど、どんどん濃縮された水になっていくのです。

水が乾くと、白い後が残りますよね?

あれが大量に地理積もるわけです。

 

もちろん、そうならないような設備もついています。

常に冷却水の濃度を測定し、ある一定の濃度になったら水を大量に補給し、

濃度を下げるのです。

ですが、1度固形化したミネラル分は、なかなか水には溶けません。

濃度を下げる処置をしても、いずれはゴミが堆積し、詰まってしまうのです。

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堆積しているゴミ。 

 

 

 

冷却塔清掃の目的 

冷却塔で最も設置数が多いのが、開放式です。

開放式とは、読んで字のごとく外気に開放されています…

清掃しても土埃が入ってきて、1日もすればすぐに汚れてしまいます。

清掃の目的は、大きく分けて2つあります。

「レジオネラ属菌増殖の抑制」と、

「冷却水量が減らないように、大きなゴミを取り除く」です。

 

レジオネラ対策

冷却塔でのレジオネラ属菌対策は必須です。

ファンがついているので、

繁殖したレジオネラ属菌がファンで飛ばされて拡散してしまうのです。

冷却水の温度も問題です。

機器から熱を吸収して来るので、水温が上がります。

また、使用していないときは外気にさらされ蒸発することもできずに、

どんどん水温が上がります。

レジオネラ属菌が繁殖し始めるのは、

20~45℃なので夏場だと増殖し放題ですね。

レジオネラ属菌を抑制する薬剤や滅菌薬剤を注入する方法が一般的ですが、 

 もし増殖してしまった場合は、清掃するのが手っ取り早い方法です。

 

冷却水対策

何度も言いますが、冷却水量が足りないと冷房が出来なくなります。 

真夏に冷房が出来なくなると、由々しき問題ですよね?

冷却水の温度が下がらなくても、熱源機器ではエラーが出ます。

充填材に上から水を落として蒸発させるのですが、

充填材にも汚れが付着していき、蒸発能力が低下していきます。

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日の当たる所に設置されていると、藻の発生も懸念材料です。

藻は、汚れと違い非常に詰まりやすいので、すぐにエラーが出ますよ!

これを解消するには、もう清掃しかないんです。

 

 

冷却塔の清掃方法と頻度 

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ブラシでゴシゴシこすって掃除するの?

私は、まず充填剤を軽く叩き、ゴミを下に落とします。

そして落ちてきたゴミを掃除機で吸い取ります。

その後は、高圧洗浄機を使いましょう!

高圧洗浄機で、こびり付いたスケールを取り除くのが最善策です。

みるみる汚れが落ちていくので、気持ちいいですよ!

  

ビル管理法でも年に一回の冷却塔清掃が定められています。

厚生労働省は、レジオネラ対策として月に一回の水質管理を定めています。

レジオネラ対策として... ですが……

 

国土交通省の建築保全業務共通仕様書には冷却塔はシーズン中、

月に一回の点検を定めています。

スケール等の詰まりが無いかも、点検することになっています。

冷却水を管理して、必要に応じて冷却水の入れ替えも仕様に入っています。

私の経験上、月に一回詰まりを点検し、除去しておけば、

詰まってエラーが起こることはありません。

清掃さえしておけば、冷却水の水量不足でエラーが出ることは無いですね。

それほど清掃は重要なんです。

 

 

まとめ

冷房を止めないためにも、冷却塔の清掃は大切な作業です。

快適な室内環境を作るだけでなく、

レジオネラ属菌を飛散させない目的もあります。

気を付けているにも関わらず、レジオネラ属菌による事故も後を絶ちません。

たかが清掃と言えど、侮ってはいけませんね。

 

 

 

 


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