トイレを流す水って使用後勝手に止まるけど、
あれって何で?
自動で止まるってすごくない?
建物管理でトイレ回りや受水槽回りのトラブルはつきものです。
私が経験したトラブルと対処法を紹介します。
同じ対処法をすれば、間違いなく問題を解決できます。
それではどうぞ!
水回りのトラブル対処は制御を理解すれば対応できる
ビル管理をしていると水回りのトラブルは、
対応に緊急性を要します。
制御方法を理解していれば、
正しい対処を出来るようになりますよ。
水の制御方法
用途に応じて色々な制御方法があります。
ボールタップ制御
プラスチックのボールが水に浮くと、補給する水が止まる仕組みです。
常に同じ水位に保ちたい場合に使用されます。
主な使用機器は冷却塔や膨張タンクに使われ、一番身近なところで言うと、
トイレのタンクに使用されています。
フロートスイッチ制御
ケーブルの先に水に浮く玉がついています。
ボールタップをイメージすると分かりやすいですが、
ボールタップは金属棒の先に玉がついています。
フロートスイッチはその名の通りスイッチです。
スイッチにはa接点b接点がありますがa接点の方が馴染みが深いですね!
照明のスイッチはa接点です。
スイッチを入れると通電するイメージを持つと分かりやすいですね。
b接点は全く馴染みがないと思います。
最初は繋がっていてスイッチを押すと離れるのがb接点です。
水位が増してフロートが浮き、スイッチがON・OFFすることにより制御します。
排水ポンプの制御でよく使用されます。
電極棒制御
電極棒での制御は水がきれいなことが条件になります。
電極棒が汚れてしまうと、電気的に繋がりが無くなる恐れがあるので、
受水槽や高架水槽で使用するのが主です。
水は電気を通すので、水位が上昇したり下降したりすると電極棒間で
「短絡、開放」状態になることで制御します。
水に手を入れると感電……はしません(-_-;)
人体に影響しない電圧まで降圧してるので、たとえ感電していたとしても、
全く感じません(気付きません)。
定水位弁制御
プッシュ式の水洗便所や、受水槽の補給水で使用されています。
写真の左側についているのが定水位弁です。
数字が書かれているのが水を流す秒数になります。
この制御は水圧を利用しています。
トイレを流す時はレバーを押したり、スイッチを押したりしますよね?
自動で流れるのも全てそうなのですが、
全て止めていた栓を開けて水を流しています。
レバーだとよく分かりますが、押しっぱなしだとずっと水が流れ続けますよね?
戻すと再び栓が閉められ水が貯まっていきます。
お気付きかもしれませんが、流した後に急に水が止まるトイレはありません!
(タンク式は別)
どうやって水を止めているかというと、
栓を閉められて貯まった水が、
弁にある小さい穴から流れて弁の上下に水がたまることで水を止めています。
ん~、すごく分かりにくい(-_-;)
よくある不具合でもう少し詳しく書きます(^-^;
よくある不具合
ここからは水回りのよくある不具合と、
私が実際にやった対処法を紹介します。
ボールタップ
ボールタップの不具合は水が出っぱなし、若しくは水が出ないのどちらかです!
「なぜそのような現象が起きるか?」
それは固着という現象が起きるからです。
新品のボールタップであれば普通に動きます。
時がたつにつれて、錆などから動きが悪くなっていきます。
ボールタップは水位が下がるとボールが下がります。
同じように水位が上がればボールも上がります。
写真のように金属棒の先にボールがついているので、
ボールが上がれば弁が閉まり水が止まる。
逆にボールが下がれば弁が開き、水が出る仕組みになっているのです。
固着というのは、ある位置で動かなくなっている現象をいいます。
水位が変わろうが、ボールの位置が変わらないので制御は出来ません。
タンク内での渇水や満水が起きます。
そうなると、他の機器に影響を及ぼしたり、
ずっと水が溢れている状況になります。
直し方は、手で何回か動かしてあげると動くようになります!
が、一度固着すると再度固着するリスクは高まります。
同じものを買って交換するのがいいでしょう!
ボールタップ自体、高価なものではありませんし、交換作業も簡単です。
フロートスイッチ
フロートスイッチも時間がたてば壊れます。
ボールタップと同じように固着という現象が起きます。
フロートを振ってみるとカチャカチャ音がするのが通常です。
固着しているフロートスイッチは無音です。
フロートスイッチは固着が一番多いですが、
ケーブルで繋がっているので断線の可能性も出てきます。
交換になるとケーブルごとになるので、
断線か?スイッチか?までの診断はいらない思います。
…あまり意味が無いので(^-^;
排水ポンプで交互運転制御を組んでいる場合は、
フロートレススイッチというものが動力盤内にあります。
この機器も壊れやすいので排水ポンプが動かない時は、
こちらも疑うべきですね。
どちらの機器も高価なものではありませんし、交換作業も簡単です。
電極棒
槽の満水や減水警報、ポンプ起動制御に使用されますが、
水がきれいじゃないと使えないと同様に、
電極棒表面もきれいでなければなりません。
水垢がついたりすると、電気的に繋がらなくなります。
とは言っても、電極棒自体が故障することは滅多にありません!
フロートスイッチと同様にフロートレススイッチが、
警報盤やポンプ盤についているので、そちらの方が壊れます。
よくある事例が、電極棒の長さが明らかにおかしいことですね(-_-;)
通常槽内には水位が上昇すると溢れないように排水する配管がついています。
これをオーバーブロー管というのですが、オーバーブロー管は通常、
満水警報を出す電極棒より上に無いとダメですよね?
そうじゃないとボールタップの故障で水が補給され続けているにも関わらず、
満水警報が出ない!…満水警報の水位になる前に水を捨てているから当然。
満水警報が出ないと当然その事実に気が付かない…
目玉が飛び出るほどの水道料金になってしまします(-_-;)
膨張タンクの中などを除くときは、とんでもない事態に発展してしまいまので、
満水警報の電極棒がオーバーブロー管の下まで伸びているか確認しておくことを、
強くお勧めします。
短ければ新しい電極棒を付け替えるだけです。
適切な長さに切って取付けましょう!
定水位弁
定水位弁を分解すると下の写真のようなピストンバルブが出てきます。
分解はプライヤーかモンキーレンチで簡単に出来ます。
このバルブを立てて上から見ると、(上記写真のばねがある方が上)
こういう風に見えます。(下写真)
バルブの上の方に小さい黒丸があるのが分かりますか?
弁の上部に水が無いと弁体を下に押せなくなるので、
水が出っぱなしになります。
…
……
あぁダメだ…(^-^;
この説明は言葉では難しいですね(-_-;)
動画があるので検索してみてください。
あと、そういう講習があるので、行くとすごく分かりますよ!
私も講習で覚えました。
水が流れ続ける時の対処法はまず元栓を閉めます!
そうすれば、当然水は止まります。
それから分解して、ピストンバルブを掃除します。
掃除するとほとんど直りますよ!とくに小さい黒い穴…
ここが一番詰まりやすいので、針とかで掃除すると直ります。
では水が流れない・少ない時は、
同じように分解してピストンバルブを掃除します。
写真の白い部分、ここが配管内のゴミを捕まえる場所なのですが、
ゴミで塞がれると当然水は流れません!
どちらの場合も掃除して直らなければ、ピストンバルブを交換します。
思っているよりも高いので、出来るだけ掃除で解決したいですね。
その他トイレの詰まり
トイレが詰まった時に大活躍するのがこれです!
通称「すっぽん」
我が家にも1本あります。
子どもは健康で巨大な、う○ちをするので、よく詰まりました(笑)
すごく活躍してくれてます。
おかげで使い方が上手くなりました(笑)
どうしても詰まりが取れない時は、
配管内を進んで取れるカメラやワイヤー式パイプクリーナー、
高圧洗浄機等の方法があります。
薬剤を入れて異物を除去する方法もありますが、
私はそれで成功したことが一度もありません。
(たぶんやり方が悪い…)
ビル管理水回り制御法とトラブル対処法まとめ
受水槽に水が補給されて無かったり、トイレの水が流れっぱなしだったり…
いろいろ水には泣かされました(-_-;)
今回紹介したことで、少しは対処できると思いますが、
読むのと実際にやるのとでは大違いです。
やはりこういうのは経験を積むのが一番ですね!