nayoro_urawaのブログ

室内環境を整えて自分を整えよう

サーマル設置は何で必要?ブレーカーじゃダメなの?

ビル管理のつまずきポイントです。

意外と知らないまま仕事をしている人が多いので、

記事にしました。

 

この記事を読めば、

  • なぜサーマル設置が必要なのか?
  • サーマルトリップの復旧方法
  • 電磁開閉器の交換方法

が分かります。

 

 

 

 

 

 

ビル管理の仕事をするなら覚えておきたいサーマル設置

ビル管理の仕事をするならサーマル設置の意味は、

覚えておきたい項目です。

まずは、

この記事のメインにしたいことを先に書いておきます。 

 

 

メインブレーカーがあるのに何でサーマルリレーが必要なのか?

「過電流で落ちるんならサーマルリレーいらないじゃん!」

「同じ過電流で落ちるメインブレーカーがあるんだから!」

 

なぜサーマルリレーを取り付けるのか?

「ブレーカーだけだとモーターが焼損してしまうから!」

という事なのですが、

「それならトリップ値が小さいブレーカーつければいいじゃん!」

そう考えるのが普通ですよね?

しかしブレーカーの最小遮断電流は15Aなのです、

3φ200Vで1.5kwのモーターだと定格電流は6.4A程度です。

故障時はそのモーターに15Aまでは電流が流れ続けてしまうので、

モーターのコイルが焼損してしまいます。

それに比べてサーマルリレーは電流を熱変化させて遮断するので、

遮断電流の整定は柔軟に変更できます。

つまりサーマルリレーは確実にモーターを保護できるんですね!

 

 

どうしてサーマルリレーは突入電流で落ちない(トリップしない)のか?

「ブレーカーより遮断電流が小さいのに、どうしてサーマルリレーは落ちないの?」

そういう疑問にぶつかりますよね?

それは高い電流値の時だけメインブレーカーの方が遮断速度が速いからです!

つまりサーマルリレーの動作速度がメインより遅い

だから落ちるとしたらメインブレーカーなんです。

 

ブレーカーやサーマルリレーには動作特性曲線というものがあります。

それは「電流に応じてどれくらいの時間で遮断するか」を表した曲線です。

ブレーカーとサーマルリレーの動作特性曲線を重ね合わせるとよくわかります。

機器のメーカーサイトに動作特性曲線は乗っているので、

ダウンロードすると分かりやすいでしょう!

図:動作特性曲線

f:id:nayoro_urawa:20200303221334j:plain

 

 

教えないとリセットすら出来ずに機器は停止したまま…

新人教育をする時にサーマルリレーについて必ず教えるようにしています。

設備管理をする上でサーマルトリップは結構な頻度で起こるトラブルです。

下記サイトはサーマルトリップが起こる要因と復旧方法について

写真付きで記載されているので、

参考になると思い貼り付けさせていただきました。

 

elec-tech.info

内容は、

サーマルリレーを取り付ける理由、

サーマルリレーの動作原理、

サーマルリレーの復旧方法について分かりやすく解説しています。

今回のメインテーマでは無いので説明は省略します。

 

 

盤図は「あみだくじ」


f:id:nayoro_urawa:20200303202543j:image ※盤図1

盤図が読めるようになれば、世界が広がります。

線を順番に辿って行くだけなので「あみだくじ」と同じです。

 

 

……とまぁ、言うのは簡単ですが…(^-^;

 

新入社員に、電気回路図を見せるとあからさまに嫌な顔をします。

「これは専門家じゃないと分からないやつでしょ?」

というような顔をします。

いや、そこに足を踏み入れてるの、あなたなんですけど... f(^_^;

実はめちゃくちゃ簡単なのに…(^-^;

特に強電盤(電灯盤や動力盤)の中身は、

電圧が来ているか来ていないかで制御が組まれているので分かりやすいです。

例えば家についている分電盤なら分かりますよね?

メインブレーカーがあってその先に小さいブレーカーが付いている。


f:id:nayoro_urawa:20200302174722j:image

その先に各コンセントや照明器具に電線が繋がっている。

まさに一本の線で繋がっています。

(正確には2本、動力なら3本ですが、電気の流れを考えるときは単線の方が分かりやすいので... )

線が繋がってないと電気は供給されません。

 

 

 

リレー、マグネット、サーマルの交換は簡単です。

リレー、電磁開閉器(マグネット)、サーマルは消耗品です。

いつかは壊れます。

リレーなんて、抜いて刺すだけで交換出来ちゃうので、覚えておきたいですね。

下の写真はリレー(立方体のもの)です。


f:id:nayoro_urawa:20200303170718j:image

マグネットやサーマルも同じ型番の物を購入して、

同じく線をつなげるだけなので、簡単に交換できます。

線が分からなくならないように最初に写真を撮っておくのが良いですね!

 

 

モーターが動かない原因を探ろう!

ブレーカー、電磁開閉器、サーマルリレー、モーターの順番で線が繋がっています。

下の写真のような感じですね!

ちなみに下の写真は、上記の※盤図1の右の2つの線の実物品です。


f:id:nayoro_urawa:20200303170535j:image 

線だけだとここまで想像するのは難しいですよね?

やはり実物を見ないと理解は深まりません。

アミダくじの要領で順番にテスターで電圧を測ればいいのです。

 

まずはブレーカーで電圧を測る

サーマルリレーをリセットしたのに動かない!

そんなときはメインのブレーカーを確認しましょう。

もしかしたらメインブレーカーも落ちているかもしれません。

本来なら、メインブレーカーが落ちる前に、

サーマルトリップするというのが正しい保護協調ですが、

経年劣化などからこの協調が崩れてしまうことも考えられます。

一つずつ冷静に電圧を測って行けば必ず問題は解決します。

 

マグネットの二次側で電圧を測る

マグネットが動作していなければ、もちろん電圧が出ません。

マグネットとはコイルに電圧を加えることにより磁力を発生させ、

接点を繋げたり離したりする機器のことです。

マグネットが動作しない理由①

マグネット自体の故障!

→機器を交換する。

マグネットが動作しない理由②

入力信号が来ていない!

入力信号とは電圧の事です。

モーターの電源電圧とは別物です。

種類は100Vなのか?200Vなのか?交流なのか?直流なのか?

など使用してるマグネットによって変わってきます。

信号はスイッチボタンからリレーを介して来ていたり、

自動制御機器から来ていたりするので、これも盤図で判断しましょう。

 

サーマルリレーの二次側で電圧を測る

サーマルリレーは手動で復帰ボタンを押さなければ、復帰しません。

電圧が無ければ復帰ボタンを確認しましょう!

 

モーターの端子で電圧を測る

モーターに電圧があって動いていなければ、

モーターの故障になるので交換しなければなりません。

絶縁抵抗を測定して、モーターの故障も判断しましょう!

 

 

【覚えておきたい】サーマルリレーまとめ

サーマルリレーとメインブレーカーの関係を書きたかっただけなのに、

色々横道にそれた記事になってしまいました。

全てを知らなくてもいいし、知らないと分からない…

難しいですね…

先人たちが考えて取り付けている機器に無駄なものはありません。

今思いつくのは、VMC上位のLBSぐらい…。

なので、ついている意味を知れば本質が見えてくると思います。

自分で興味を持つことが一流への近道ですね。

 

 

 


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