自家用電気工作物は
電気主任技術者を選任しなければなりません。
これは電気事業法で決められている事なので、
覆すことは出来ませんね。
法律なので絶対です。
電気主任技術者の選任の他に、
電気保安法人で管理する方法があるのをご存じですか?
電気保安法人で管理すると、
主任技術者が常駐する必要が無くなるメリットがあります。
電気主任技術者選任か電気保安法人か
本記事では両者のメリット・デメリットを紹介し、
その上で電気保安法人をお勧めする記事になっています。
読み終わるころには、電気保安法人の魅力を感じていますよ。
保安監督部へ提出する書類
電気保安法人で管理する場合は、
「外部委託承認申請書」というのを、
管轄の保安監督部へ提出しなければなりません。
保安監督部への提出は主任技術者が変更になった場合や、
保安規定が変更になった場合に必要になりますので、
委託業者が変わった段階で申請しなければなりません。
期限は遅滞なくです。
※保安の法人で管理する場合は、
外部委託承認申請書だけでは不十分です。
他の書類は提出先のホームページを確認してください。
電気主任技術者選任のメリット・デメリット
常駐が条件の電気主任技術者の選任。
自家用電気工作物の保安では基本の形です。
そのメリットとデメリットを紹介します。
電気主任技術者選任のメリット
電気主任技術者選任のメリットは、
現場に常駐している事にあります。
営業時間の間、ずっと常駐しているわけですから、
管理者としては安心できますよね?
電気主任技術者選任のデメリット
デメリットは以下の3つです。
- 管理費が高い
- 必ずしもスキルがある人が常駐員になるとは限らない
- 休日深夜対応が出来ない
電気主任技術者の常駐員は、
給料が高くないと募集をかけても、全然応募が来ません。
保安法人と比べて管理費が割高になります。
そして応募が来たとしても、
資格を持っているだけで、何も出来ない人が多いです。
あくまで私の経験上の話です。
電気主任技術者の選任は1名です。
その1名が常にその施設にいるなんてことは、
不可能です。
もちろん休みもあります。
その休みの日に何か起こったら、対応は出来ないですよ。
電気保安法人のメリット・デメリット
建物に対して資格保有者が少ない今、
電気保安法人に頼らざるを得ないですね。
そのメリットとデメリットを紹介します。
電気保安法人のメリット
電気保安法人の最大のメリットは、
所属している技術者の人数にあります。
現場に常駐しているわけではありませんが、
担当技術者が他所で点検中でも他の技術員が、
現場へ駆けつけることが出来ます。
絶縁監視装置を設置することで、
電気設備の漏電を24時間365日遠隔監視することが出来ます。
不在時でも異常を感知することが出来、
緊急対応することが出来ます。
電気保安法人のデメリット
現場に常駐していない事がデメリットです。
常駐する電気主任技術者で、
実務経験がある人は稀です。
- 実務に特化した保安担当者
- 資格は持ってるけど1度もキュービクル操作をしたこと無い人
どちらに電気工作物を管理してほしいかなんて、
聞くまでもないです。
電気主任技術者で操作もバリバリやったことあります!
こういう人なら安心できますが、こういう人は貴重です。
ほとんどいません!
少なくとも私は会ったことがない!
電気に携わって15年間、
ただの一人も会ったことがありません。
常駐していても何も対応できないのであれば、
以内のと同じです。
電気保安法人は常駐は無いですが、
現場に来て対応するのは、実務経験のある技術者ばかりです。
電気保安法人での管理を納得してもらう方法
お客さんのイメージからすると、
現場に常駐している方が、
「何かあった時に対応できる」
だから電気主任技術者を選任して欲しい。
このように考えるのが普通でしょう。
電気主任技術者選任のメリットは、
勤務時間に常駐していることです。
では勤務時間以外は?
事故は必ず勤務時間に起きるのですか?
事故はいつ起きるか分かりませんよね?
それに夜間だと寝ていたりしていれば、
緊急対応できません。
警報が鳴ったことにも気付きません。
それに対し電気保安法人は、
24時間365日の緊急対応が可能です。
そして技術が確かなので、
万が一の場合の安心感が高いのはこちらの方です。
これを納得いくように説明できれば、
お客さんも分かってくれると思いますよ。
これは補足ですが、電験三種を持っている人は、
少し変わっている人が多いです。
全員変わっているわけでは無いですが、
資格持ちの現場常駐員を面接すると、
そういう人が多く来るんです…
それと求めている給料が割高ですね。
電験三種はビル管理にとって難関資格として
知られているため、高い給料を要求してきます。
資格で仕事をするわけでは無いのに、非常に残念です。
電気主任技術者選任と電気保安法人での管理まとめ
電気主任技術者の選任と、
電気保安法人での管理。
この両者のメリット・デメリットを把握して、
この建物にはどちらの管理が良いかを、
判断してください。
両者の特徴を伝えれば、
設置者の方もきっと納得してくれます。
自家用電気工作物の保安は、
電気保安法人に任せた方が無難ですよ。